温泉旅情篇・2 尻フェチマストダイ

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(続き)そいつの名はSHOKEN。後で知ることとなるが昭和技研の略っぽい。まぁ説明するとゴクゴク単純なパチンコとピンボールとビンゴゲームを合わせたようなしろもの。ゴルフボール大の玉をはじいて台の穴に入れ、タテヨコどちらかに4つ揃えば景品が出てくるという、まさに昭和の臭いのするゲーム。
だが侮るなかれ。これがなかなかよくできてる。リーチまでは行くのだがなかなか揃わない。俺とT宮君はすっかりヤツの虜。ボウリング場にあるのにボウリングには一切目を向けず、またせっかくの熱海なのに海や温泉そっちのけ。完全に時代はSHOKEN。っていうかSHOKENはメーカー名でゲームの名前はストライカーだ。やっとのことで出てきた景品がまた泣かせる。リロ&スティッチとかいうやつのストラップ。いらねぇ。だがそれもまたSHOKENの魅力。

温泉に入っても刺身盛り合わせ(船盛り)の間にも話題はSHOKEN。もしくはファイナルファイト。飯を食ってひといきするやいなやすぐさまSHOKENへ。そしてさらなる宝を求め熱海の海へ。
熱海サンビーチに近付くと『銀座通り』という明らかに東京の銀座とは違った雰囲気を醸し出す街が。おもにパチンコと風俗しかない感じだが、ここにも一つ微妙な店が。スマートボールと射的が売りの店らしい。この平成の世に。とりあえず店に入るとスッゲー不機嫌なおばさんが台を指差しながら「500円」とぶっきらぼうに言う。いや、俺達まだやるとは言ってませんが?それにちょっと高くね?

とりあえずT宮君と2人で1000円を渡すと座った台の上から原材料不明の白いボールが流れ込んでくる。どうやらこれを穴に入れて打つ、という手動パチンコの形式のゲームらしい。さすが熱海、20世紀中年だ。というかそれ以前にT宮君と俺のボールの数違くね?明らかに2列くらい違うんですけど?おばちゃんが物凄く不機嫌そうなので文句を言えずに始める俺達。見るからにいらない景品ばかり(陶器製の置物で、高級な景品ほどデカくなってく)なので始めて数秒でうんざりしてくる俺達。高いし。SHOKENが酷く恋しい。最初の量の少なさからもT宮君があっという間に玉を使い果たしたが俺は何故かそこそこ玉が入ってなかなか終わらない。手動なので既に右腕が痛い。最後は適当に連続で入れて適当に打つ。既に何のためにコレをやっているのかわからない俺達。見ると隣の女の子は何かコツを掴んだようでやたらと玉を出してる。そして最終的になんらかの景品を手に入れたらしい。

ちなみにpopeeとカエル先生は射的をやっていた。カエル先生は小さな陶器製の地蔵を手に入れていたが、どう見ても500円出してゲットするシロモノではない。帰りに多分旅館で捨ててたし。

とりあえずその場を後にして外に出ると雨が降り始めていた。海も目前だが帰ることにする。元より海に何の興味もない。と、T宮君とpopeeがカキ氷を買って食べ始めている。君らどんだけかき氷好きやねん。しかもそのせいでバス乗れないし。バス諦めて次のバスをカキ氷を食べながら待ってると、向こうから怪しい人影が。その人影はバス停でしばらく立っていたが、ゆっくりとこちらに歩いてきた。雨が降っていたので商店街の軒先にたむろしていた俺達だったが、その人影は軒先直前でピタリと止まった。そしてまた歩き出して、ドン!とカエル先生に後ろからぶつかる。その場の空気が一瞬で凍りつき、張り詰めた感覚が流れた…が、その人影はまた歩き出した。…ただの酔っ払い?カエル先生とT宮君と俺でその人影をずっと眺めていたが、遠くなってく彼は歩いたり止まったりを繰り返しつつ、途中にあったベンチを引いたりしていた。ベンチに寝るのかと思いきや引いただけでまた去っていく。その後もトラックの前で立ち止まったり、コンビニに入ると思いきやその直前で方向転換して細い路地に入っていくなど、見えなくなるま微妙なで奇行を繰り返していた。その間、ずっとpopeeはカキ氷に夢中で一切の顛末を見てなかったという。どんだけかき氷好きやねん。

そしてバスを待つよりさっさとタクシーで帰ろうとタクシーを拾って旅館へ。結果的にタクシーの方が安かったし。旅館につくやいなやすぐさまSHOKEN。スマートボールの悪口とともに超盛り上がる。が、景品は出ず惨敗。
部屋に戻って買ってきた酒を飲みながら定番のトランプ。このトランプは前回お祭りでpopeeがゲットしたリロ&スティッチのトランプ。やべぇ、ディズニーまみれだ。酒を飲んだのは俺とT宮君だけだったが、ダウトでカエル先生が全部のカードのうち90%以上を所持するなどのファインプレーで大爆笑。そして大貧民。地方ルールがいろいろ存在するが神奈川県川崎市ルールを適用。気がついたら24時半。T宮君とpopeeはもう1度湯に浸かりにいき、俺とカエル先生は床についた。1日目終了。

そして2日目の朝。俺吐いてる。熱海で吐瀉。ゲロin熱海。設定温度24度のクーラーの冷気が一晩中俺に直撃し、風邪をぶり返した上に前日飲んだサワーにやられたらしい。酒自体は旅先ということもあって大した量は飲んでいなかったが、いろいろと重なって二日酔い+風邪でトコトン体調を崩した。
朝食ギリギリまで休み、飯も少しだけ入れてぐったり。なんだか皆様すみません。死にます。
朝10時に微妙な感じでチェックアウト。こんな状態ながら帰る前にはやはりSHOKEN。ラストSHOKENということで熱も入る。そして奇跡が起きた。俺とT宮君、2人連続で景品をゲット!俺は何かのプーさんで、T宮君は何かの卵。どちらも今は駅のゴミ箱に永眠してらっしゃる。ありがとう、SHOKEN!でも結局使ったのって500円くらいなんだよね。なんだかんだ言って。

薬を買って飲む。少しラクになってきたが辛いことには変わりない。お土産屋をめぐりサヨナラ熱海。11時半に熱海を発つ。もはや見るべきものもない。花火も海も熱海城も見てませんけど。
電車内でもひたすら眠って体力回復を図る。そのせいかあっという間に川崎。東海道線で1本なので行きに比べてなんのドラマもない。川崎駅にて昼食。俺の体調の悪さもあって軽くパスタ。なんで体調悪いときにバジルソースの上にバジルシャーベットが乗ってるようなもん頼むかな俺。緑じゃん。ぜんぶ緑。スパゲッティというより草だよこれ。余計体調悪くなる俺。

結局川崎もとくに散策することなく南武線に乗って溝の口へ。そして解散。5年ぶりくらいの旅行だったが、今回の最大の教訓:「ペース配分考えろ」。
ちなみにレトロゲームとかSHOKENとかばっかりにかかりっきりだったので、旅費は予算を大幅に下回りました。遊びに使った金額って、各自1000円~1500円くらいだったと思う。この辺にもバランスの悪さが。
まあ最後は体調崩しちゃったとはいえトータルとして楽しかったです。もう熱海には行くことはないと思いますが。
そして帰ってきてから16時間くらい寝ました。