きゅうめい

何気なくYoutube視てたら、「友達が、自分の祖父が亡くなったときに『おじいちゃん亡くなって』って表現してたのが気になった」という話題になってて、確かに身内に使うとちょっと違和感あるよねと思った。

実際は「亡くなる」には敬語的な要素はないから、身内に使っても問題はないらしい。

らしいというのは、時代的に厳密かつ明確な基準が設けられてないからだ。

身分制度があった時代は、死に対しては社会的身分に応じての言い方があった。
いまも天皇に対しては崩御とか薨御とか薨去とか使われるが。

この辺はむかし『春秋左氏伝』を読んだときに、注釈で『礼記』を引用しているところを読んだ記憶がある。

天子の死は崩
諸侯は薨
大夫は卒
士は不禄
庶人は死

と決まっているが、たとえば諸侯なのにその死が「卒」や「不禄」と記載されていた場合は、生前の行いがあまり良くなくて、下の身分の書き方で記して引責する、みたいな内容だったような。
もっと直接的に、爵位が「伯」なのに「子」や「男」と書いて非難している場合もある。

身分がある程度固定されていた時代だと、直接的な言葉で非難できないからこそ、こういうやや迂遠な方法が出来上がっていったんだろうね(´_ゝ`)

今だと、春秋の筆法は単なる「間違い」で片付けられちゃうか、無礼ってことになるかも。
部長を非難したいからわざと「課長」の肩書で議事録作成するとかしたら、普通に怒られるか直されるだけ。
真意は伝わらない(´_ゝ`)