『中国の歴史2 都市国家から中華へ』を読んだ(´_ゝ`)
講談社学術文庫の方ね。
このシリーズ、ハードカバーの方も何冊か持ってる。
でもこれは初見。
おもに春秋戦国を扱ってるが、これまでと違った見方で解説してて面白い。
逆に著者の独自の観点が受け入れられないと、終始イラつくことになるかも。
さすがに牽強付会が過ぎるなって部分も多かったし。
それでも、孔子に対して長年持ってた違和感が氷解したのは大きい。
どうにも儒教で語られる孔子像と、春秋の作者としての孔子がイコールで結び付かなかったのだが、この作者いわく春秋は左伝と同時期に作成されたものらしい。
つまり孔子が著したというのがそもそも嘘だったわけで、それなら違和感あっても当然だよねって話になる。
また、諸子百家への洞察もなかなか面白い。
一般には孟子の性善説に対し荀子の性悪説といった対比が成されることが多いが、王充によれば孟子は中人以上について語っていて、荀子は中人以下について語っているのだという。
つまり、社会の上流層について語っている孟子と、下層について語っている荀子は、そもそも対象としている人間が違うので、矛盾していないという見方だ。
墨子の思想も、小国のためのものであるため、秦が統一を成し遂げて小国というものがなくなってしまったために、不要なものとなり消滅してしまったという話。
なるほどと納得させられる。
ただ、ジャレド・ダイヤモンドやダロン・アセモグルなんかを読んだあとだと、この著者がすべての国を領域国家や都市国家という分類の枠に当てはめて論じるのは無理があると思った。
国というものが、ぜんぶ同じような発展形式を遂げる訳じゃないからねぇ(´_ゝ`)
すべてを鵜吞みにはできないけど、新しい歴史の見方を知ることができて良かった。