『The CODE シリコンバレー全史』を読んだ(´_ゝ`)
面白い。
タイトル通り、よくあるシリコンバレーの歴史について書かれた本だが、ほかと違うのは著者が歴史学者ってこと。
なので技術的側面については「ん?」と思うところが多々ある。
逆にいうと、技術的ではない側面で視たシリコンバレーについてよく書かれている。
とくに政治的な側面はかなり詳しい。
今まで無視されてきた部分、しかし確実に大きな役割を果たしてきた側面について知れるのは大きい。
とはいえちょっと政治の果たした役割を持ち上げすぎじゃないか?とも思った。
とくにアル・ゴアについてよく書かれ過ぎてる。
それもそのはず。
著者がアル・ゴアの政策アナリストスタッフだったらしい。
ほかの技術書なんかだと、アル・ゴアはわりとコケにされてるんだけどね。
俺も、アル・ゴアはいなくてもシリコンバレーの発展にはなんの影響もなかったとは思う。
読んでて疑問に思う部分なんかについては、訳者解説のところでもたくさん突っ込まれているので、それ以外について俺が思うところ。
それは『The Power Law』のときも書いたけど、「この業界に女性が少ないこと」について批判めいた書き方をしている点。
ポリコレへの配慮なのかもしれんが、はっきり言って余計。
アン・ハーディーがIBMで男性の部下たちよりも給料が低かったことや、ハーバードでMBAを取ろうとしても女性を受け付けていなかったことは明らかに差別で、それは書かれておくべきことだが、そういった制度的な部分以外は難癖に近い。
ベンチャー企業の経営者に女性が少ない→だってお前ら起業しないじゃん
ベンチャーキャピタルの上層部に女性が少ない→だってお前ら投資しないじゃん
ってことだと思うんだが。
「技術系の女性になるのがいまだに大変なことで、それを変えようと頑張る男性がこれほど少ないのは悲しいことだ」ってあるのも、「なんで男が頑張らなあかんの?」としか思えない。
起業のネタと資金を男が用意してあげなきゃいけないいけないのか?
そもそも技術者になろうとしないし、理系分野に進もうとしないじゃないか。
著者が女性というのもあるかもしれんが、ポリコレ配慮のために、業界に「女性が少ないこと」をことさら批判的に書くのはおかしい。
もちろん制度的に女性が不利になっているようならば批判すべきだけど。
その部分に関しては事実だけを淡々と書いてほしいなぁ(´_ゝ`)
じゃないと本当の差別も軽く見られかねない。