あるまげすと

『科学文明の起源』を読んだ(´_ゝ`)
いまの科学文明が、西洋の科学者が中心となって導かれたように語られることに強烈な疑問を投げかけている良書。

まあしばらく前から、西洋中心の史観で物事を視ることへの不合理さはいわれるようになってきてはいたけど。

とくに我々アジア人にとっては自国やその周辺でもちゃんと近代科学への貢献があったことは知られるようになってきた。

それでもそれ以外、アラブやアフリカ、ラテンアメリカなどの偉人たちが語られることはあまりない。

原題が『HORIZONS / A Global History of Science』なので、日本語タイトルはちょっと内容とずれてる気はする。

むしろ副題の「近代世界を生んだグローバルな科学の歴史」の方が、著者のジェイムズ・ポスケットが言いたかったことに近いんじゃないかな。

異なった文明が交わる場所で、新たな科学や考えが生まれてくるという点をたびたび強調している。

そしてそれは正しいことだと思う。
アメリカだかイギリスだかの一流大学では、午後に教授たちがお茶の時間で集まって交流したりする。
その学際的な交流によって学問的な新たな知見が得られたりするのを聞いた事がある。

また、初期のシリコンバレーでは、他の会社のエンジニアが昼食や午後の休憩時間に技術的なことを雑談したりして、問題を解決したりする逸話もある。

違う視点の指摘や意見って結構大事だよね、というごく当たり前の話が、地理的には国家規模、時間的には歴史規模で行われてきたわけだ。

他文明とクロスするところで新たな科学が生まれるなら、西洋だけで(というかキリスト教圏だけで)発展するわけがない。

本書はどちらかというと生物学や遺伝学に寄ってるが、数学や他の科学分野も同じだろう。
場合によっては自然科学分野以外も当てはまるのかもしれない。

そして本書を読んでいると、グローバリズムナショナリズムは矛盾するものじゃないことがよくわかる。

示唆に富んだ一冊だった(´_ゝ`)